釣り好き夫婦が自ら釣った魚に腕を振るう店は海風感じる船のイメージ。シルバー世代に熟した常連と新規客を乗せて、新たな船出!

 




もともと開店から10年を過ぎたら改装しようと考えていました。

長年、コース中心のフランス料理店「レストランヒライ」として営んできましたが、年齢を重ねて段々と若い頃と同じようには仕事が追いつかなくなってきて、そろそろ自分にあったペースでやりたいなと。


それで、自分で自分の首をしめないように(笑)、席数を20から17に減らして、料理はコースからアラカルト中心に変更。店名も「レストランヒライ」から「ビストロヒライ」に改めました。


内装は位置関係といいますかレイアウトごと丸ごと変えたので前店とはまるっきり別の姿に生まれ変わりました。厨房機器もすべて入れ替えたんですよ。マイナス60度の冷凍庫も新調しました。


また、うちは昔からお客様の年齢層が高くて、店の歴史と同じく常連様の年齢も上がってきていますから、食べたいものを食べられる量だけ味わえるアラカルトのほうがより楽しんでいただけると思ったんです。
  

 
オープンキッチンを望む広々としたカウンターです。現在は向かって左手が厨房ですが、以前は突き当り奥が厨房で、残りのスペースはすべて客席でした。以前もオープンキッチンではありましたが、カウンターは4席だけで、今の迫力とは比べものにならないものでした。

 
ネット検索です。日本人は木の温もりがあったほうがくつろげますからね。施工画像を見て気に入っていたので他社と比較もしませんでした。


仕事のしやすさとお客様の居心地の良さを兼ね添えた店づくりをお願いしました。特に厨房の柱や棚、調理台の高さについてはデザイナーさんと一緒にとことん吟味しました。ほとんどはデザイナーさんにおまかせですが、海を思わす色合いの椅子は自分で調達しました。

 
よくやってくれましたよ!前店を2月にクローズして工事開始は3月半ばから。その後、5月20日にリニューアルオープンしました。工事期間中の2か月は日に何度も現場に足を運んで、現場監督さんや職人さんから工事の状況を説明してもらったり、木の色を選ばせてもらったりと、逐一自分の目で確認しながら進めることができたので、納得いく仕上がりになりました。10月に山翠舎の事務所に顔を出して以来、5か月半ものあいだ打ち合わせを重ねてじっくり検討させていただきました。

 
自ら釣った魚を料理するスタイルはレストランの頃から変わりません。夫婦で釣り好きなんです。野菜も実家の農家から取り寄せる無農薬の有機野菜なんですよ。

 
週に一度、店の定休日に夫婦で釣りに行きます。神奈川県の三浦半島に行くことが多いですね。


ヒラメです。大きくて立派でしょう?今時期は松葉港から出航して、剣先沖というポイントで、産卵前の脂の乗ったイサキも結構釣れます。今週は2人で60枚は釣ったかなあ!小ぶりなので手はかかりますけど、脂のりは抜群です。

 
そうですねえ。シェフが釣った魚を料理して出す店は界隈ではもちろん、都内でもなかなかありませんからね。地元の方にはそのように思っていただけているのではないでしょうか。

 
常連客の来店頻度が増えて嬉しい限り!また、カウンターが人気急上昇で、以前はテーブルを選んでいた方もカウンターを選ぶようになりました。奥行きをたっぷり取りましたから、くつろいでいただけるようです。外観も以前よりも入りやすく、お洒落になったので、新規で若いお客様にも来店いただけるようになりました。

  

関係者の声

ヨットの船内を意識した海風を感じる開放的な空間。

 
”ともに釣り師のご夫婦が自ら釣った鮮魚をフレンチ仕立てで提供”との、またとない個性にスポットを当てた、ヨットの船内を意識した海風感じる開放空間です。店の歴史とともに常連客も歳を重ね、シルバー世代のファンが多いとのことでしたので新規客の獲得も狙い、正統派イメージの中に若い世代の心もくすぐる要素も忍ばせました。

 

白壁✕ブルーのテントの爽やかな外観。船舶用のライトやイカ釣りランプ。外壁には「旬の釣り魚を食べられる店」とダイレクトにコンセプトをアピールしたコピーを記して、ロゴはもちろん魚モチーフ。幅、奥行きともに贅沢にあつらえた無垢のカウンターが圧巻のオープンキッチンは「今後10年はゆったり楽しみながら仕事をしたい」との施主様のリクエストに応えたもの。シェフをヨットの船長に、カウンター席でくつろぐお客様を乗船客に見立てて、船長が航海を楽しむ乗客たちの笑顔を気持ちよく見渡せるような作りを目指しました。