雑誌「新しい飲食店開業」に掲載されていた山翠舎さん施工のスペインバル「吉祥寺バル ボッカ」の写真と、企業広告のナチュラルな雰囲気に惹かれたのが最初です。実際にボッカを訪問してみたところ、紙面から受けた印象どおり、「目指している方向性が同じ」と感じて、WEBからメールでコンタクトを取りました。

 

 

主張せずして伝わる本物感というか…。大人が普段使いできる、敷居が高すぎない高級感といった、微妙なさじ加減をお願いしました。

 

住宅街の店ですが、ファミリー仕様のラフな店ではなく、地元の大人がワインを片手にゆったりとくつろげる場所にしたかったのです。

 

なので、テーブルも通常サイズよりも大きめに製作してもらい、席数も当初の予定より減らして客席間を広く取りました。デザイナーの小林さんにはこちらの想いをうまく汲んでいただいたと思います。

 

 

都合で長野には行けませんでしたが、古材をはじめ、タイルも、壁面に塗る珪藻土(けいそうど)も、主要な部材のほとんどをサンプルを見て選べたので満足しています。松材の床と一枚板のカウンターは特に気に入っています。

 

自分の店が形づくられていく過程を見るのが楽しみで、施工期間中はほぼ毎日、現場に顔を出していました。木工職人さんのマニアックな仕事ぶりは見ていて飽きなかったです。

 

 

地元密着型を目指していたので、都心での開業は視野に入れていませんでした。土地勘のあった練馬エリアに定め、繁華街のある練馬駅を避け、隣駅の中村橋でたまたま入った不動産屋の紹介で出会った物件です。

 

 

コース3800円~と、決して安くはない店ですが、地域のニーズにマッチしたのでしょう。

ありがたいことに、開店早々から満員御礼の日々が続いています。

 

正直、最初からこんなに忙しくなるとは想像していなかったので、嬉しい悲鳴を上げています。もうすこし落ち着いたら、ランチも始めたいと思っています。

 

 

イタリア語で“シンプル”を表す店名どおり、シンプル・イズ・ベストが料理のモットーです。素材の持ち味を生かした日本人の舌に馴染むイタリアンを提供しています。

 

おすすめは毎日4~5種類仕込む手打ちパスタと炭火焼です。断面が四角い「キタッラ」や“耳たぶ”型の「オレキエッテ」など、珍しいパスタの独特の食感をお楽しみください。